論文で統計的に有意と判断するP値を示す時の書き方をメモしておく。
日本語:「統計的有意水準は P < 0.05とした。」
英語:"Statistical significance was set at P < 0.05."
いつも「統計的閾値」(statistical threshold)と書きたくなって、「統計的閾値は0.05とした。」と書いてしまうが、この文は以下の2点で良くない。
- 統計的に有意とすることが明確に書かれていない。
- 閾値が具体的に何か不明。言いたいのはP値。
また英文は、以下4つの英文をgoogle scholarで検索し、ヒットする件数を調べた。
- "Statistical threshold was set at"を検索した結果:2,100件
- "Statistical significance threshold was set at"を検索した結果:1,480件
- "Statistical significance level was set at"を検索した結果:12,500件
- "Statistical significance was set at"を検索した結果: 220,000件
この傾向を見ると、significanceにすでにthresholdやlevelの意味が含まれているように見える。そこで英英辞典を見ると、significance は以下のような説明になっている。
ここで、2bの記述が使いたい意味であるが、qualityとあり、significanceそのものに量的な意味が含まれているように見える。恐らくsignificanceだけで「有意水準」として訳して良いと思われるが、アルクやDeepLで「有意水準」を検索するとlevelが必ずセットになっている。
ちなみにqualityの定義は以下で、levelが含まれている。
なので、"significance level"と書くと、「有意水準のレベル」とネイティブから見るとおかしな表現になっているのかもしれない。